長生きの秘訣?




一緒に住んでいる94歳の祖母の暮らしを見ていて気づいたこと。




父方の祖母は、25年程前に一度短期入院して以来、血液がサラサラになる薬を飲み続けています。その後は高血圧を抑える薬も常備薬としていて、3年前に心臓発作でカテーテルの手術を受け、2年前に太腿の付け根を骨折。昨年は手首を骨折。どちらも転倒が原因。

そして今は、家の中では壁に補助的に手を添えて歩き、外を歩くときは念のため誰かが側に付き添う。下の方は、自分でトイレに行けるのだけれど、頻繁にトイレの便座や手すりその他を汚してしまう。入浴はデイサービスで行います。洗濯は、月に何度か手洗いをしていることが、洗面所の周りに粉洗剤が散らばっていることで判ります。

耳が遠くなり、私が声を張っても聞こえないことがあり、返事をしたくないときは聞こえないふりをすることもある。時々日付や時間を間違えるけれど、極度な記憶障害にはなっていない。損得勘定の回転は健在。お喋りが好き。「悪いことをしたから罰があたった。他人にしたことは自分に返ってくる」が口癖。特定の宗教に入っているけれど、お仏壇の水替えや経読みを今はしなくなった。

週3回デイサービスへ通い、それ以外の日はベッドの上でテレビを見ているのが常。興に乗ると可愛らしい声で唄を歌い手を叩いて笑ったり、悲鳴に似た小声を上げる。若い頃から使っている重いミシンを一人で押入れから取り出し縫い物をする。壁一面の押入れと所有している数個の箪笥に入りきらないぐらいの物持ち。内容は主に洋服、バッグ、靴、装飾品。今でも流行に興味があって、誰かが買い物に連れて行ってくれる時を今でも待っているほどのお洒落好き。

食欲は旺盛。とはいっても、一度にたくさんは食べられなくて、少しずつをたくさん食べる。高齢者向けに薄味にした料理を嫌い、おかゆ、おじや、豆腐など、ぐずぐずした品も好まない。彩り綺麗な膳を好む。煮魚に喜ぶ。

朝食はパンと珈琲。部屋に冷蔵庫と電子レンジを置いていて、出される食事の半分はストックし、好きな時間に食べる。おやつも好きで、起きている間はしょっちゅう何かしら食べている。大きな三角ショートケーキより、小さくて可愛らしい菓子が好き。



先日、「これが長生きの秘訣かも」と思った出来事がありました。

深夜2時頃、主人と二人、居間で映画を観ていると、部屋の扉をガラッと開けて顔を出した祖母は、「コーヒーいれて」と一声。

主人が先に立って、祖母が差し出したカップを受け取り、お湯を沸かしているあいだに祖母はトイレに行き、済ませて戻ってきて「もうはいった?」と訊くので、主人は「まだお湯沸いてません」と応えると、「そないに熱くなくてええ」と言いながら、インスタントコーヒーと白糖の量を主人に指示しました。

小さじスプーンに、どちらも山盛り2杯。

私も甘党なので、きび砂糖や黒糖を、ティースプーンに山盛りすることはあります。それらよりも甘い上白糖を、ティースプーンの倍ほどある小さじスプーンに2杯。その甘さ、私は許容範囲です。しかし、インスタントコーヒーを小さじで2杯は‥‥。

デイサービスで出される珈琲や、デイサービスで年に何度か行く喫茶店の珈琲が「薄すぎて湯みたい」と、いつもぼやいているのを私は思い出し、そりゃそうだなってことが判明したのでした。歳暮や中元で戴いた、ちょっと良いインスタント珈琲の瓶がいつもあっというまに無くなる理由も、やっとわかりました。

ふむふむ。

「祖母は昔から腸が弱い」と長女である伯母さんが言ってた。珈琲は身体に悪いから、あまりたくさん飲まない方が良いとかって説があるけれど、それは人それぞれの話で、「珈琲=悪い」じゃないんだね。



長生きの秘訣。それは、「自分好みに生きる」ってことなのかも☆



2014年10月8日 記



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