2月10日:救急車と入院


午前8時過ぎ。父の仕事が終わる時間。

珍しく私の携帯電話が鳴って、出てみると「歩かれへんから迎えに来て」と、父が言うのです。





なんとか歩ける状態


すぐに車を出して父を迎えに行き父から話を聞くと「くしゃみをしたら急に背中がメチャメチャ痛くなって動かれへん」とのこと。

停めている車までの50メートル程の距離を、父は体を屈めつつ、ゆっくりゆっくりと歩いてくる。一人でなんとか歩ける状態。

帰宅後、いつもならすぐにお風呂に入る父は、2時間ほど座ったまま動かずにテレビを見ています。

お風呂に入らずに直ぐ寝るようにと私が言っても「風呂に入ると痛みが和らぐ」と言って、昼前にやっと脱衣所へ向かったかと思うと、服を脱ぐ時に失禁してしまったとのこと。

お風呂から上がり、白いおかゆを軽く食べて、2階の寝室へ行って父は眠りました。





起き上がれない


午後7時前。朝早くから出かけていた母が帰宅し、起床時間になっても起きない父に声を掛けると、父は「起き上がれない」と訴えます。

母は父に「救急車呼ぶよ」と言うと、今まで一度も救急車に頼ったことの無い父が「救急車呼んでほしい」と応えました。



救急車が到着し、ベッドの上の父に状態を訊き取り、タンカーで救急車へ運び、車内で簡単な検査をしつつ、今に至る症状の経緯を母からも訊き、適する病院を探して下さり、市民病院へ運ばれることに。

救急車が到着してから発車するまで1時間近くかかっていた気がする。でも実際は、ほんの数十分だったのかもしれない。

しばらくして、付き添って行った母から電話があり「血液のガンかどうか看護師さんに訊かれた。すごく悪いらしい。長く入院することになる。」と告げられた私は、パジャマやタオル等の必要な物を持って、夫と共に病院へ向かいます。



父が運ばれた病室へ着くと、そこは個室で、すでに点滴やら酸素チューブやらが父に装着されていて、重病人以外の何者でもありませんでした。

本人は痛みが辛そうながらも、ポカンとした表情。自分に何が起こっているのか見当もつかない感じで、それは私たち家族も同様です。

私たちは何もすることができず、「病院の人たちが手厚く対応してくれてるから安心だね」と言って父を励まし、母を連れて家に帰りました。





2015年3月13日金曜日 記





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